最近、ICTという言葉をよく耳にしませんか。ICTとは、「ITにコミュニケーション機能を加えて利便性や顧客満足度向上をめざす取り組み」のこと。今後のことを考えたICT人材の育成も徐々に進んでおり、世界の産業界と連携し、国際的に活躍できるリーダーを育成していく専門職大学「国際工科専門職大学」の開学なども予定されています。とはいえ、IT+コミュニケーションと言われてもあまりピンと来ないかもしれません。こちらに関して、給与計算を例にとって解説していきます。
昔は紙のタイムカードを人の目と手で確認・集計し、給与計算や明細の発行をしていました。ITが発達したことによってタイムカードが電子化され、給与計算もデータから取得した値をもとに自動的に行えるようになった、これが現段階です。そこにICTが加わると、地方の事業所の勤務データを瞬時に本社に集めて処理することができるようになります。給与明細もメールなどで配布でき、コストや管理の手間削減になる訳です。ITにコミュニケーションや通信の要素がプラスされると、今までよりワンランク上の利便性が生まれるのです。
このICTは、すでに多くの企業で活用されています。例えばお客様対応。「客先からでも携帯端末から社内システムにアクセスできるようにし、納期や在庫の回答がスムーズに行えるようになった」「WEBサイトを使って時間や場所を問わずに商品の注文、問い合わせが可能になった」…こんなのは当たり前だと思うかもしれませんが、ICTの活用によって実現できたものです。こういった技術をうまく活用できていない企業は、スピーディーなお客様対応を行っている他社に販売機会を奪われてしまう可能性もあります。遅れをとらないよう、ICTを積極的に活用していく必要があるでしょう。
IoTの本格化やビッグデータの活用といった世の中の流れを考えると、ビジネスにおいてもこれまで以上に多様なコミュニケーションが求められるようになるはずです。ただ、いざというときに大掛かりな対応をしようと思ったらそれなりにコストも時間もかかってきます。将来を見据え、今のうちからICT化に手をつけておいた方がいいでしょう。
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